不妊専門鍼灸院 銀のすずは
自然妊娠から体外受精までの方を専門でサポートしています。

大豆は私たちの生活になくてはならない食べ物でした。
大豆は紀元前2000年ごろには中国で栽培されていたとか・・・。
その後、奈良時代に日本に仏教とともに入ってきました。
仏教では、肉食が禁止されていたので以前まで食べられていた肉類から大豆に変わることになります。
この時点で、仕方なく肉から大豆に移行してしまったと思ってしまいます。

さてこの大豆ですが、タンパク質、脂質、炭水化物、食物繊維、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、ビタミンE、ビタミンB1、葉酸など様々な栄養素が含まれます。 そしてコレステロールがゼロというのも特徴です。
大豆プロテイン、エストロゲン、イソフラボン

さて栄養素が豊富そうですが、どのぐらいの量が入っているのでしょうか?
水分12.4g、タンパク質33.8g、脂質19.7g、炭水化物29.5g、灰分4.7gです(日本食品標準成分表2015年版(七訂)より作成)。
このような配分です。
それぞれを見ていきましょう。

まずはタンパク質から(必須アミノ酸のみ)。
妊活、大豆、タンパク質

数字を見ただけではわからないので比較してみましょう。
卵子の質、大豆、たまご

必須アミノ酸は体内で作り出すことのできない栄養素。
よって食事からのみ取り込むことができる栄養素です。
大豆の必須アミノ酸はスジコや牛肉、鶏卵と比較するとそこまで多くはありません。
よって大豆だけ食べていては人間に必要な必須アミノ酸を効率よく吸収するのが難しいとなります。
では同じ量の卵(卵白)と大豆ではどのくらい吸収率に 違いがあるか見ていきましょう。
エストロゲン、針灸、薬膳、漢方

大豆の吸収率はずいぶんと劣ることがお判りでしょう。
半分までとはいきませんが、グラム数でいうと1.5倍多く摂取しなければならないということです。
タンパク質だけを見ると、無理して大豆から摂る必要はなさそうですね。
卵や肉類のほうが効率的です。

さて脂質を見ていきます(主要な脂肪酸のみ)。
脂質、大豆、イソフラボン、妊活

脂質1g当たりの脂肪酸の総量はあまり変わりませんが、飽和脂肪酸、1価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸の分布に違いがみられます。
飽和脂肪酸はさすがに動物性が全体的に多く含まれます。
一価不飽和脂肪酸もまた動物性に多く含まれます。
多価不飽和脂肪酸、いわゆる必須脂肪酸は大豆が圧倒的に多く含まれます。

続いて個々の脂肪酸(抜粋)を見ていきます。
体外受精、人工授精、卵子の質、女性ホルモン

これを見るとオレイン酸、リノール酸、α‐リノレン酸が大豆、サツマイモに多く含まれているのがわかります。
皆さんが気になるオメガ3脂肪酸は、α‐リノレン酸、ヘンイコサペンタエン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸を指しますが、オメガ3脂肪酸が一番多いのは・・・
スジコ(筋子)です。
続いて、鮭、ウナギ、大豆です。
ちなみに、オメガ3脂肪酸の働きには・・・
・血圧を下げる
・がん細胞の増殖を抑える
・LDLコレステロールを下げる
・脳神経機能に関わる
・HDLコレステロールを増やす
・中性脂肪を下げる
・動脈硬化を予防する
などの働きがあります。
脂肪酸を上手に摂るにはバランスが大切だといわれています。
飽和脂肪酸3:一価不飽和脂肪酸4:多価不飽和脂肪酸3

これがゴールデンバランスです。
ちなみにこのバランスが良い食材はなんでしょうか?

さて、今までタンパク質と脂肪の話でしたが、この時点でタンパク質と脂肪を合理的に摂ることを考えると何が良いのでしょうか?
タンパク質の量が多く、必須アミノ酸のバランスが良いのは『鮭、スジコ、和牛、卵黄、卵白、豚』でした。
ただし、卵黄と卵白を一緒に摂ることを考えると量とバランスは最高です。

タンパク質と脂肪を一緒に摂るに最適なのは・・・・・・・・・・・
第1位 たまご(全卵)
第2位 スジコ
第3位 鮭
エストロゲン、プロゲステロン、卵巣、卵子

上位は鳥と魚のたまごでした。
残念ながら大豆は、タンパク質の量も吸収率も低く、脂肪酸に至っては多価飽和脂肪酸がそこそこ入っているレベルということになります。

続いて炭水化物です。
炭水化物、水溶性食物繊維、ミトコンドリア

精白米、全粒粉、サツマイモにはでんぷんが大部分を占め、大豆、アーモンドにはショ糖が多く含まれています。
でんぷんはブドウ糖がたくさん集まってできた物質です。
ショ糖はブドウ糖と果糖が結合した物質です。
魚介類、肉類には炭水化物は含まれていません。
鶏卵にはちょっとだけあるのですね。
糖質制限を考えると魚介類、肉類を食べれば血糖値の上昇はないのがわかります。

続いて灰分です。
鉄、マグネシウム、葉酸、妊活

灰分とは、食品成分として含まれる鉱物質を指します。
ミネラルのことですね。
ミネラルの役割は身体の臓器や組織を円滑に働かせるために必要です。
体内では作り出すことができないので食事から摂らなくてはなりません。
過不足すると不調になるため、適量が必要となります。
種類が多く、必要量としてはかなり少量です。
さらにその他の栄養素も同じですが、摂取する人の活動レベルに応じて、必要量も異なります。
ここでは30~39歳女性に注目していきます。
各種成分、単位にバラツキがあるのと、年齢や体格によっても摂取量が異なるので比較が難しいので、ここでは上位3位にどれだけ入っているかを見ていきます。
第1位は大豆でした。
以下、アーモンド、スジコ(筋子)、ウナギ、鮭、鶏卵(全卵)、サツマイモの順でした。
ここにきて、大豆が上位に入ってきました。
ちなみに妊活で摂取したほうが良い成分の亜鉛は和牛に多く、鉄は大豆が一番多いですが、こちらは非ヘム鉄で、吸収率も悪く、体内でヘム鉄に変換しなくてはならないので、動物性のヘム鉄を含むスジコや和牛、鶏卵が良いですね。

最後にビタミンです。
ビタミンC、ビタミンD、葉酸、ナイアシン

各種ビタミンはエネルギー源や体をつくる成分ではありませんが、人が健全に成長し、健康を維持する働きをしています。
ビタミンもまた体内で作り出すことがほとんどできないので食事から摂らなくてはなりません。
ビタミンも種類が多く、年齢や体格、活動量、目的に応じて必要量が変わるので、各種ビタミンが含まれている上位3位を見ていきましょう。
第1位はスジコ(筋子)です。
続いて、ウナギ、大豆、鮭、鶏卵、和牛、豚肉、アーモンドの順でした。
妊活で必要といわれている葉酸は大豆とスジコに多く含まれ、ビタミンDはスジコと鮭に多く含まれています。
私の近所のスーパーでは鶏卵にビタミンD入り(1.8μgが2.2μg増量)もあります。

大豆の5大栄養素の話を総括するとミネラル、炭水化物、ビタミンでは上位にいますが、タンパク質、脂質に至ってはあまり良い結果とは言えません。
またミネラルにおいても吸収率などを考えると最高ではありません。

ここまで考えてみても大豆を一生懸命食べる必要性をあまり感じませんが、まだ大豆には大きな闇が潜んでいます。
これからご紹介しましょう。

1.遺伝子組み換え作物(GMO)
2.トリプシン抑制物質が含まれている
3.ゴイトロゲン(甲状腺腫誘発物質)が含まれている
4.フィチン酸塩が含まれている
5.植物性のエストロゲンが含まれている


1点目、遺伝子組み換え大豆は1995年にアメリカの企業が作り、2010年には全大豆の93%が遺伝子組み換え大豆となりました。
日本の大豆自給率は7%。
海外からの輸入に頼るしかありません。
アメリカ、ブラジル、カナダ、中国から輸入をしています。
その大豆は安全なのでしょうか?
2010年の時点で93%の遺伝子組み換え大豆が現時点で減ったのかどうかは定かではありませんが、『遺伝子組み換えではありません』と書かれていても疑ってしまいます。
法律上、5%以下の意図しない混入は遺伝子組み換えではないと書いて良いことになっています。

そもそもなぜ遺伝子組み換えが悪いのでしょうか?
野菜など農作物には雑草や害虫問題があります。
日当たりが悪くなる、収穫量が減る、枯れるなどが懸念されることで、雑草を枯らせ、虫が嫌がる薬を作ります。
これが農薬(ラウンドアップ)です。
※雑草用と害虫用があります。
ただあまり強い農薬だと収穫物まで死んでしまうので、農薬に耐性の食物を作り出す。
この時、遺伝子を操作します。
これでたっぷり農薬を使っても、雑草や害虫は死ぬが収穫物は問題がないわけです。
これを遺伝子組み換え食物(GMO)と言います。
実際、農作物にはありえないほどの農薬がかかっています。
遺伝子組換え作物は品種改良とは異なり、複数の異なる生物の遺伝子を人工操作し自然界に存在しなかった作物に作り変えたものです。
その私たちへの健康被害は今だ未知数・・それが現実です。
ちなみにラウンドアップには発がん性が認められる物質であるとWHOは指摘します。
怖いですね。
ヨーロッパでは規制が厳しくGMOは入ってきにくい環境ですが、日本は規制が厳しくありません。
そこで日本にはたくさんのGMOが集まり、皆さんが世界で最も摂取していると言われています。
雑草も虫も殺せる農薬を私たち人間が食べても大丈夫なのかはだれが考えてもわかるはず。

遺伝子組み換えって怖いですね。
大豆以外にも身近なものでたくさんあります。
とうもろこし、ジャガイモ、パパイヤ、テンサイなどです。
これが使われているジュースに入っている異性化糖はGMOが形を変えて口に入ってきています。
法律で、清涼飲料水では一部でGMOの原料使用、表示の義務はありません。

さらに植物だけでなく、動物にも遺伝子組み換えは行われています。
鮭、鶏、牛などにも使用されているようです。
不自然な食べ物は食べたくないですね。

2点目の『トリプシン抑制物を含んでいる』ことです。
トリプシンはタンパク質分解酵素で、膵液に含まれています。
タンパク質を食べて、胃を通り、十二指腸で膵液が出てきて、消化を促進するのですが、大豆にはトリプシンを抑制する働きがあるので消化不良を起こします。
このトリプシン抑制物質はほかの栄養素の消化吸収を妨害することも知られています。
ただし、『浸水、加熱、発酵』によって、トリプシン抑制物は不活化できます。
ただし、GMOの大豆は多少の熱では不活化できないといわれています。
よって発酵させた味噌や醤油、納豆として食べることで避けることができるということです。

3点目、ゴイトロゲン(甲状腺腫誘発物質)とは、甲状腺の機能を低下させる物質です。
ヨードの吸収を妨げる働きがあります。
甲状腺は喉のところにある小さな臓器です。
甲状腺からは甲状腺ホルモンが出ています。
甲状腺ホルモンにはトリヨードサイロニンとサイロキシンの2つのホルモンが分泌されます。
これらのホルモンはヨードを含みます。
ちなみにヨードを多く含食べ物は海藻類です。
さて甲状腺ホルモンは体の発育を促進し、新陳代謝を盛んにする働きがあります。
つまり、活動するために必要なエネルギーを作り、快適な生活を送るためになくてはならないホルモンです。
妊活中の方なら、甲状腺の検査をしているでしょう。
TSH(甲状腺刺激ホルモン)、T3、T4、FT3、FT4などの項目です。
甲状腺の機能が低下すると排卵障害や着床、妊娠維持に影響を与えるとか・・・。
その甲状腺の働きを抑制するゴイトロゲンは怖いですね。
大豆以外にも、ブロッコリー、カリフラワー、小松菜、キャベツ、ケールなどにも含まれています。
予防するには加熱をするといわれていますが、食べ過ぎは良くないようです。
葉酸をたくさん摂ろうとブロッコリー食べている方は注意が必要です。
青汁にはケールが大量に使われているので注意が必要です。

4点目、フィチン酸とは、ミネラルの吸収に障害を与える、繊維性の物質です。
ミネラルは私たちの身体のの臓器や組織を円滑に働かせるために必要です。
このミネラルの吸収を阻害するということは大変なことです。

ほとんどの穀物にフィチンの状態で含まれています。
フィチンとはマグネシウムやカルシウム、カリウム、ナトリウムなどと結合している状態で、胃液で分解され、フィチン酸とミネラルに分解されます。
そしてミネラルは吸収されます。
その後フィチン酸は腸内に進み、アルカリ性下では鉄や亜鉛などと強く結合して水に溶けにくいフィチン酸塩となります。
そのまま、体外に排泄されてしまうので、鉄や亜鉛不足になってしまいます。
妊活で必要な鉄や亜鉛を奪わないでください!!!

5点目、植物性のエストロゲンとはいわゆる『イソフラボン』です。
いまだにイソフラボンが身体に良いと思っている老若男女の皆様、それは大きな間違いです。
これは以前にもエストロゲンドミナントのところで書きました。
本当に恐ろしいことなのです。
そもそも、私たちのホルモンとイソフラボンが同じなはずはありません。
更年期障害の症状緩和といわれていますが、実際には症状を緩和する事はありませんし、自分自身の女性ホルモンに代わってちゃんと働いてくれることはありません。
むしろ、ホルモンバランスを崩すことになるでしょう。
妊活においてホルモンは何よりも大事なものです。

少しイソフラボンについてお話しします。
イソフラボンには2種類あって糖鎖が付いている『グリコシド型』と糖鎖の付いていない『アグリコン型』の2種類があります。
イソフラボン、危険、内分泌かく乱物質、ホルモン異常

糖が付いていると分子量が大きく、吸収しにくくいという性質があります。
唾液や膵液のアミラーゼ、さらには腸内細菌の持つ酵素で糖が外れ、アグリコン型になります。
食品に至っては発酵によって糖鎖が外れ、アグリコン型となります。

厚生労働省の食品安全委員会では1日上限摂取目安量を70から75㎎、そのほかサプリやトクホなど一時的な上限を一日当たり30㎎としました。
厚生労働省食品安全委員会
諸外国でも注意喚起されています。
詳しくは上記リンクを参照してほしいと思いますが、イソフラボンは構造が女性ホルモンのエストロゲンに類似しているので、各種臓器にあるエストロゲンレセプター(ER)に反応します。
ERには2種類あって、ER-αとER-βがあります。
ER-α:子宮、膣、卵巣、乳腺、視床下部、内皮細胞、血管平滑筋
ER-β:前立腺、卵巣、肺、脳、血管、骨
閉経後の更年期障害に効果的という側面と過剰に反応し、害になるという側面が懸念されています。
閉経をしていない女性にとっては月経不順などが懸念され、さらには子宮がんや乳がんなどの婦人科疾患の原因も可能性としては捨てきれません。
大豆は危険、妊活にはイソフラボン、精子の質

日本人の日常摂取量は、16~22mg/日なので豆腐、豆乳、納豆は過剰摂取になってしまいます。
女性だけの問題ではなく、男性の方も止めたほうが良いですね。
だって男性に女性ホルモンが大量にあったらどうなりますか?
きっと精子の状態に何らかの影響を及ぼすことになるでしょう。

私が読んだある書物だと、しっかり発酵した食品であればイソフラボンの影響は少ないと書かれていた。
豆腐、豆乳は全く発酵していない食品なのでイソフラボンの恐怖はあるにしても、納豆で高いのはちょっと驚いたのを覚えていますが、こういった話もあります。
最近の発酵食品は、『実は発酵していない』というのです。
発酵させるにはある程度の時間を要しますが、早く出荷したいというのが生産者の本心です。
まだ未発酵の状態で出荷される、さらに発泡スチロールのような容器では発酵が進みにくいというのです。
そこで発酵食品を食べる際は、自ら発酵を促進させた上で食べたほうがよさそうです。
発酵食品の保管場所は冷蔵庫ではなく、冷暗所がベスト。
その理由は温度と湿度、そして空気です。
我が家では冷蔵庫から出し、5時間は室温にさらし、食べるようにしています。
※間違っても電子レンジはダメです。
味噌は陶器の容器に移し、日本酒を入れよく混ぜて保存しています。

ずいぶんと脱線を繰り返しましたが、言いたいことは『大豆は決して身体に良くない』ということです。
日本人に馴染みの深い大豆を悪く言いたくありませんが、もう昔の話です。
大豆について調べていると賛否両論言いたい放題です。
であれば、その理由をしっかり調べること、そして納得することが大切です。

私自身は豆腐、豆乳は普段からまったく食べないので興味すらありませんが、大豆発酵食品は好きなので、しっかり発酵したものをチョイスします。
それでも大量には食べないでくださいね。

そしてイソフラボンですが、怖いので取らないのが賢明です。
妊活の方、特にご注意ください。

もう一点!
イソフラボンは大豆だけではないです。
フェンネル、セロリ、パセリ、リンゴ、アルファルファ、ザクロ、高麗人参、当帰などにも含まれています。
こちらもご参考まで上げておきます!!!
何かございましたらご質問ください。
銀のすず